(奥正面の4名による意見発表会場の様子)
所長の渡部です。
6月30日に「ふくしまから はじめよう。『食』と『ふるさと』新生運動」会津地方推進本部会議並びに意見発表会が開催され、構成メンバーの一人として参加しました。
本会議は、農林水産業の生産から流通・消費に至る様々な立場の人々で構成されています。その思いと力を一つにして、東日本大震災及び原子力災害からの復興・再生を成し遂げ、さらに以前よりも豊かで魅力ある福島県農林水産業・農山漁村を創造し、若い世代に引き継ぐことを目的としています。
会議では、会津地方推進本部構成組織の平成28年度事業実績並びに平成29年度事業計画について検討した後、意見交換会として、会津地方で農林水産業に取り組んでいる若手4名から取組内容等についての意見発表があり、これを受ける形で、意見交換が行われました。
会津坂下農業普及所管内からは、会津坂下町の佐々木美穂さんに意見発表をお願いしました。佐々木さんは、佐々木さん御夫妻とお父さんの3人で、きゅうりを中心とした野菜単一経営(ククファーム. cucufarm.)を営んでいらっしゃいます。
佐々木さん御夫妻は、ともに非農家出身であり、平成22年に脱サラして、御夫婦で就農されました。就農当初は順調なスタートを切りましたが、その後経営的にかなり厳しい時期を経験されています。
この危機を克服するため、JA系統出荷のほか、規格外きゅうりやその他野菜を中心に、農産物直売所やスーパー等に販路を拡大し、活路を切り開きました。
例えば、農産物直売所でC級品の曲がりきゅうりを袋詰めし、「へそ曲がりきゅうり」のネーミングで販売したところ好評でした。また、デコレーションきゅうり(ハート形や星形きゅうり)の生産にも取り組んでおり、売れ筋商品となっています。
佐々木さんは、農業女子プロジェクト(農林水産省)やふくしま農業女子ネットワークでも活発な活動を行い、自分らしさを生かしたアイディアが農業経営の業績にもつながってきていることから、確かなやりがいを感じながら、日々農業経営に取り組んでおられます。
今回、意見発表を行った4名の方々は、いずれも農業以外の職業経験を持つ新規参入者ですが、皆さん、「農業に取り組んでよかった、やりがいを感じている」と発言されていたのが印象的でした。
会津坂下農業普及所としても、意欲を持って農業に参入する方々を、今後とも応援していきます。